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大学生協事業連合 関西北陸地区 地区担当常務理事 中森 一朗

国家公務員志望から大学生協へ

働くことの意味を考えた

大学で法学部だったこともあり、国家公務員として市民の生活向上につながる仕事をしたいと考えていましたが、2回続けて不合格でした。親がいわゆる「一流企業」への就職を望んでいたこともあり、そこでいったん自分にとって働くことの意味や、仕事で何を成したいのかを改めて考えるきっかけになりました。
「世の中をよくする仕事に関わりたい」と考えたときに、学生時代に関わっていた大学生協の活動も、「よりよい生活」を自ら実現する大学生を増やし、社会に巣立ってもらう、という点で意義があるのではないか、と思いました。

学生の成長を感じられる喜び

旅行センターでは、学生から旅行の相談を受けたり、実際に旅行から帰ってくると成長した様子がよくわかって、自分の仕事が学生の成長に直接つながっているという、大学生協ならではの面白さを実感しました。
PC担当の時は、京都大学の情報環境機構の責任者である先生と協同して、アドビのライセンスを取りまとめて生協で提供しました。大学内に生協があることで、学生生活だけでなく大学運営にも大きな役割を果たすことができることを実感しました。

●プロフィール
1995年京都大学生協に入協。ショップ、旅行センター、PC担当を経て、2007年京都大学生協役員に就任
●2018年
大学生協事業連合役員に就任
●家族
妻と一男一女(18歳、中2)
●入協の動機
国家公務員を目指していたが試験に落ち、民間での就職を考える中で、学生時代に活動していた大学生協 に決めた。
●休日の過ごし方
家の掃除、買い出し、自治会活動など

ご自身のワークライフバランスについて

育児時短取得第一号?の男性職員

第二子出産後、妻が育休を取得しましたが、復職後私も1時間勤務時間を短縮してもらいました。当時(2006年)の男性職員では初めての育児時短だったと思います。実際には、時短中に第二子が病気入院することとなり、妻が看護休職を取ったので、1ヵ月だけの「幻の育児時短」になりましたが(笑)。
上司からは「本気でとるの?」と言われたり、職場の仲間にも迷惑をかけたところもあったと思いますが、ほかのところで頑張る、職場にいる時間を有意義に使う、ことを最大限に心がけました。

週に2日、早く帰ることの意味

夫婦で子育てを分担したことで、「〇時に帰らないといけない」という物理的な制約ができ、限られた時間で密度の高い仕事、生産性の高い仕事をしようという意識の変化が生まれたように思います。
妻と五分五分の役割分担...とまではいきませんが、七分三分くらいは貢献しているのでは、と勝手に思っています。
残念ながら今でもご飯づくりは苦手ですが、「週に何回かは早く帰る」という習慣を続けることで、仕事と家庭のスイッチをうまく切り替えることができるようになりました。今は子供のことで時間の制約を受けることは減りましたが、それでも週に2日は早く帰って家事をする生活を継続しています。

大学生協での「働き方改革」

業務の標準化

大学生協の店舗は、さまざまな規模や特性がありますが、実際には特定の職員や業務に比重が偏るなどの実態もあります。そこを改善するために、担当者が代わっても組合員に同じサービスレベルを維持できるように、業務や作業の標準化を進めることをテーマとしています。
大きな組織になるとどうしても「タテ割り」で運営しがちですが、業務を共通化・見える化することで、組織の風通しを良くし、横にも連携することで、働き方の改革は進むと思っています。

多様な働き方の実現

利用者の大半は大学生ですので、若い職員に積極的に店舗マネジメントにチャレンジしてもらおうと思っていますが、一方で経験豊かな職員がしっかりサポートできるようにしたいですね。こうしたところには、定年後の再雇用職員が力を発揮できる仕組みを検討しています。
また、大学生協は繁閑の差が大きい職場なので、例えば昼のピーク時には集中して正規職員としての役割を果たすが、それが終われば帰宅して育児に向き合う、といったように、時間・業務を限定する正規職員という制度も将来的には考えたいと思っています。

大学生協という職場へのビジョン

大学生協は、「学生のためにある組織」という点では、ぶれることなく一本筋が通っていると思います。正課外の生活も含め、どうすれば学生がより楽しく、有意義に大学生活を送ることができるか、そのことについて大学生協ほど一生懸命考えているところはないでしょう。そこは今後もぜひ維持、発展させていきたいですね。
学生の意見を聞いてその背景を知り、学生生活を深掘りしていく楽しさ、面白さは生協職員ならではの醍醐味です。これをぜひ一緒に味わってほしいと思います。


甲南大学生活協同組合 専務理事 内田 真紀子

これまでのキャリアについて

経理→ショップ→食堂

2001年に入協して配属されたのが、経理でした。その後、ショップや食堂の業務に就きました。最初に経理をやったことが、その後とても役立ったと思います。今のように会計システムがない時代だったので、電卓をたたきながら決算をしたりグラフを作ったりしていました。簿記の資格も取りましたし、税務についてもずいぶん勉強できました。

経理をやっていると、日々の経営結果を数値で見ることでその根拠や流れを把握でき、政策や提案の立案時にも説得力のある資料を作ることができました。経理からショップに異動したとき、経営状態はあまり良くなかったのですが、お店の経営状況を日報やグラフにして、「何が売れているか、経費はどれくらい使っているか」などの情報を共有し意識を変えることで、パート職員も含めて経営改善に取り組むことができました。

役員として

役員になってからモノやサービスを提供するだけでなく、大学や学生に多様な提案をしていくことが仕事になっています。「甲南大学」という大学の価値を上げるために大学が取り組むさまざまなことに、生協としてしっかりコミットできなければなりません。そのためにも、生協の中にいるだけではなく、世の中の新しいものを見聞したり経験したり、そういうことを大事にしています。

●プロフィール
2001年甲南大学生協に入協。経理、ショップ、食堂を経て2007年甲南大学生協専務理事に就任
●入協の動機
甲南女子大学で自治会活動をしていた時に、「学生の生活を向上させる」という生協の活動に魅力を感じた。自治会と違って、生協は「学生と一緒にやっていく感じ」が良かった。
●家族
夫と二女(中3・小5)
●休日の楽しみ
二女のバレーボールを見ること、夫婦で買い物に出かけること

ご自身のワークライフバランスについて

役員になってから出産

第一子の出産は食堂配属時で、産休・育休を取りました。第二子は役員になってからだったので、まぁ大変でした(笑)。店長や契約職員に業務を任せましたが、実質的には1ヵ月で復帰しました。大変なことは分かっていましたが、子供は二人いた方がいいよ、というパート職員のアドバイスもあり、産もうと決心しました。
わが家では、基本的に夫婦で分担してやってきました。子育てや家事は「やれる方がやる」というルールだと、「気づいた方がやる(やらざるを得ない)」になりがちで、一方にストレスが溜まります。私たちは最初から明確に役割を分担する方を選びました。今は少し楽になって、夫婦の時間ができて、買い物を楽しんだりしています。

役員として職員が働き続けられる職場づくりで心がけていることは

労働時間をコントロール

役員になった時、職員の残業がとても多いのが問題でした。個人や職務により労働時間やスタイルが異なるので、甲南大生協では、一人ひとりの労働時間を個別に合った形で決め、見える化しています。例えばある人は、1日10時間くらいは業務に必要だ、となると、では週休3日で、というふうにですね。

情報ハラスメントをなくす

伝えるべき情報はいろんな手段を使って発信しています。私自身、第一子の育休中は情報がなく、「おいて行かれる不安感」がありました。この時、情報が届かないのはダメだと実感しました。部内Web掲示板を設置し、役員からの情報提供だけでなく、各店舗や職場からのお得情報、お店自慢など、いろんな情報が自由に受発信できるようにしています。

教育、研修を重視

甲南大生協ではパート職員も含め、年に2~3回の研修を実施しています。大学の先生や外部の専門家を招いた講演や、他生協への1泊2日の研修などです。誰一人のけ者にならず、全員が当事者として主体的に取り組めることを大切にしています。

大学生協という職場へのビジョン

男性職員、女性職員に限らず、「自分が努力して頑張りたい」と思っている人、「大学生協という組織が好きだ」と思っている人にとって、そのことが阻害されない組織、そのことを応援できる組織でありたいと思っています。

自分自身が出産・子育てをしてみて、人に対していろんなことを「できて当たり前」から、「できない前提」で考えることができるようになりました。「なぜできないか」ではなく、「どうすればできるようになるか」ですね。

育児や家事その他で就業時間が限定される時期もありますが、逆にその分、人に頼るべきところは頼る、(子供の病気など)いつ何があっても困らないよう手すきの時間にやりきる、など効率的に進めることができますし、メンタルも強くなります。
いろんな条件や制約を持った人が、それぞれの時間と能力を活用して業務に関われる、多様性が生かされる大学生協の職場を実現したいと考えています。